ウエディングフォトグラファーの本当の仕事を教えます。

旅と生活と写真|weddingphoto04

 一生に一度の素敵なお時間を写真に残す仕事。それが一番根本の目的となる撮影の仕事。おそらくウエディングフォトグラファーの役目として考えられがちなのがこれだけです。

 もちろん婚礼に携わるスタッフの中でカメラを持ち歩き記録をする役目はウエディングフォトグラファーであり、多額の金額と多数のゲストに対して、結婚式の後に「残るもの」を提供できる唯一の役目であるからその責任は重大です。「残るもの」がその後のお二人の思い出をさらに輝かせる為に素敵な形で残す技術が必要になります。

 そこで僕が考えているウエディングフォトグラファーの本当の仕事(役割)として3点まとめました。ちなみに今回は、写真を撮る事は当たり前の事として省いて考えていますので、同業職の方やこれから目指そうと思っている方にはぜひ参考にしてほしいです。

 

 

1. 婚礼サービススタッフと同等である心構えと対応をする。

旅と生活と写真|スタッフ

 まずは服装。黒のスーツに黒と白以外の抑えめなネクタイに清潔な革靴。もちろんジャケットは前ボタンを閉めてシャツは首元までボタンを閉める。女性なら黒か白のTシャツにジャケット。

 ゲストから見ればカメラマンも婚礼会場のスタッフの一人です。その一人が奇抜な格好や下品な言葉遣いであるとどんな印象を持つでしょうか?そしてその印象は会場に負のイメージを付けかねないのですから、最終的には会場側のスタッフから粗末にされるカメラマンになってしまいます。しかし印象アップに務める事が出来るカメラマンであれば、会場側も撮影に協力的になってくれる事が多くなります。

 ご新郎ご新婦様やご親族様、ゲストや会場スタッフのそれぞれが求めている事は何か。求められている目的はそれぞれ違いますが、共通している事は「誰もがこの挙式を成功させたい」という事につきると思います。その成功に向け、ウエディングカメラマンという立場ながらも「協力できる事」をそれぞれの方に向けて提供する事に尽きるのです。

 

 

2. プロである以上、ゲストに気を配り多面的な画角を常に意識する。

旅と生活と写真

 挙式の会場ではある程度の制限さえ守れば比較的自由に撮影を行えます。しかし披露宴の会場では多くのゲストもコンデジや一眼レフ等を持って写真を撮っている姿が常時見る事ができます。つまりご新郎ご新婦様への写真を撮っているのは決して自分だけではないのです。

 僕はこのゲストの方が撮っている写真に映ってはいけないと思っていますし、ましてやお二人が招いた大切なご友人を押しのけて写真を撮るなんて事は最低の事だと思っています。ゲストの方も写真を撮る事も楽しみにきていますし、そのレンズを遮って撮る事はまずNGです。それらを防ぐ為に先読みをして自分が先にポジションに付く事です。

 最もどんな写真を撮るか決めてから動いていれば撮り逃しもありませんし、状況が変わってからカメラの設定や立ち位置を変えているうちはプロとは呼べませんよね。

 

 

3. エンドユーザーへの配慮とお客様の喜ぶ姿を最大限に想像する。

旅と生活と写真

 写真がどのように使われるか、誰と一緒に見るのか、人に見せた時にどのように言われたいか。結婚式で唯一形として残る写真が、その後に当日を証明する全てになります。

 結婚式に来れなかった方々にも「いいねー素敵な様子が写真からも伝わってくるね」と感じてもらえる事を考えて撮影をしてください。また撮影中にも一枚一枚の写真の目的を良く考えて撮る事が大切です。そしてインターネットとデジタル化が進んだ今だからこそ、素早くお手元に届ける努力が必要です。

 僕は友人であれば当日、または翌朝までに編集済みのデータを納品しますし、アルバムは最大でも2週間後には確実に納品します。感動が盛り上がっている最中に届けたい、そしてSNSで共有する事で一層の幸せを共感して頂く事が出来る。最終的な満足度を考えれば当たり前の事だと思いますし、これだけハードとソフトが発達しているのだから”それは出来ない”というのはウエディングを真剣に考えていない事だと考えています。

 

 

 ウエディングフォトグラファーとして写真に対しての知識以前の話として、上記の3点を挙げました。他の広告カメラマンなどと異なる大きな点として、お客様はプロではなく婚礼についても知識が浅く、ましてや写真については好きか嫌いかという判断でしか出来ません。

 僕がフリーカメラマンに指導を始める際にまず伝えるのが「写真の出来の善し悪しは60点でもいい。その代わり当日の対応を120点出来る様に振る舞いから心掛ける様に」と言う話です。スタジオ歴の長い人、他の会場で僕より婚礼を撮ってきた人、どんなにスキルがあって肩書きがあろうがこの気持ちだけは忘れてほしくありません。写真の上手い下手以前に婚礼に携わり、ウエディングフォトグラファーとして撮影する者として大前提として考えてもらいたいと思っています。

 新郎新婦含めご家族やゲストにとって今日の結婚式が「最高の結婚式だったね」「とても幸せな気持ちになったね」「今日という一日を過ごせて幸せだった」というサービスを提供できてこそプロのウエディングフォトグラファーです。

 そして、その最高の一日をさらに輝く思い出として残してあげて初めて、一流のウエディングフォトグラファーと呼べるのだと思います。

旅と生活と写真|菊川 貴俊