カメラマン面接の時にオススメの作品集例

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 カメラマンの面接時に必ず必要となるのが、ポートフォリオ(作品集)を持参または郵送して下さい。と言うものです。もちろん他にも履歴書だったり、契約時には契約書や秘密保持契約書を記入する事になりますが、カメラマンとしてどんな写真が撮れるのかを判断する上で、ポートフォリオ(作品集)は必須になります。

 ウエディングカメラマン(ブライダルフォトグラファー)としてスタートしたいと言う方で、フリーのカメラマンを面接していた立場から、お勧めしたいポートフォリオや写真持参の方法をお伝えしたいと思います。

 まずは参考までに、実際に面接時に拝見させて頂いた様な写真を例に、プロアマ問わず面接官側の意見を述べさせて頂きます。

 

【 広告写真 】

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 電通や博報堂など色々な現場で活躍されている様な方が持参されるポートフォリオには、一度は目にしたことがある様な広告や有名人が沢山並んでいたりします。相当な写真の知識を持っていて、まず僕自身が理解できるような経験値ではないと思っています。

 しかし、ウエディングの撮影をそのブランディングにある写真と同様に撮り対応できるかと言えばまた別の話だと思っています。もちろん写真に対する経験値が高いので相応に撮る事は出来ると思いますが、リアルタイムで物事が進んでいくウエディングのスナップで、どういった写真を撮れるかは未知数です。また、広告業界からするとギャラも低い上に、カメラマンという立ち位置が下なのがウエディングです(下というと語弊があるかもしれないですが…せめて平等にスタッフ皆で素敵な時間を作るのがウエディングです)。

 したがって、一度現場にて研修に入って頂きどういったスナップが撮れるのか、そして会場の方やご新郎ご新婦様に対してどういった対応をするのか、最後に服装や動きは順応出来るかを見た上で安心して撮影をお願いできる様になります。

 

【ファッション撮影】

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 広告撮影と似ている様で違う点が、基本的にスタジオマン(仕事としてスタジオでしか撮影した事がない)です。簡単に言うと、ライティング(光を作る事)やPhotoshopでの作業を得意としていて、動いているものや場所や光量が常に変わる様な撮影は素人に近い事があると言う事です。もちろんフォトグラファーと名乗っているので、写真は撮れるでしょう。

 しかし、構図やレンズの善し悪し、会場での対応が劣っているかも…と予め準備して面接を行います。その場でしっかり素敵な対応をして頂ければ、その点は安心ですが。普段プロのモデルを相手に、あまりコミュニケーションなく、スタジオで似た様なライティングを組んではPhotoshopでトリミングや加工を前提として撮影される人には、相当回数の研修が必要かと思います。

 もちろんスタジオ写真を撮らせたら完璧だと思いますし、ポートフォリオの写真も撮っても素敵なのですが、スナップ写真は果たして撮れるのか?ウエディング現場でご親族様に「おめでとうございます」と笑顔で言えるかという所を研修で見させて頂きます。

 

【作家風の撮影】

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 川島小鳥さんや梅佳代さんを始めとする写真作家が好きと言うカメラマンで、いわゆる日常を素敵に切り取った写真を撮影される方。マニュアル操作で撮影しているのであれば、おそらく婚礼現場でスナップ撮影に順応する事が出来ると思います。しかし、作家風の写真をウエディングに求めてはいないのが事実で、素敵な(ここでいう素敵を理解できるかになるのですが…)時間をしっかりと素敵に残す事が一番です。

 まず、写真作家の写真が評価されるのは、その人自身に価値があるからだと思っています。元々は趣味だった方も、賞を取ったり写真集が売れたり、そういった経歴を経て価値が生まれます。瞬時にシャッターを向けるセンスなどが良いのではなく、その人が撮った事に価値が生まれる様になるのです。

 したがって何が婚礼では求められているのか、素敵なのか、一般的にご新婦様の綺麗な所ってどの部分なのか、そういった事をお伝えする所から始まると思います。当然、婚礼現場のあれこれを研修で学んで頂きますが、写真の撮り方そのものもウエディングっぽいね!となる様にお伝えしていきます。

 

【アマチュア撮影】

 友達などに頼んでモデル撮影などしたものや、前述した写真作家風の「なんで電信柱を撮ったんだろう…」というカメラマン=アーティスト寄りなポートフォリオ。構図や撮った意図など色々伺ってはみますが、結局は写真が好きなんですね^^ というところで落ち着きます。そういった場合(上記の方々にも言える事ですが)人柄が何よりものを言います。

 素敵な笑顔で話せる人、コミュニケーション能力が高い事で、ウエディング撮影については撮影術(←How to snapにてご紹介しています)を憶える事でより良く撮れると思います。接客業に近いウエディング撮影において、最終的にはまるで居酒屋の様な応募要項が重要になります。

 

 さて、ここまで4つほど面接時のポートフォリオ(作品集)例について私的な意見をまとめさせて頂きましたが、最後に僕が一番求めている(持ってきてほしい)見たいポートフォリオはこちらになります。

 

【スナップ撮影の様々なバリエーション】 

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 一番良くあるパターンが、結婚式の写真だからといって、自分が一番良いと思う写真をピックアップして持ってこられる方。実際の所、それらは狙ったのではなく奇跡の一枚(たまたま撮ったら良かった)である事が多く、撮影を依頼して上がってきた数百枚の写真を見て「なんだこりゃ!」と感じる事があります。だからこそ、その1度の挙式披露宴であなたが何をどういった構図で撮ったのかを見るのが一番です。

 例えば、自信作としてフラワーシャワーを浴びながら新郎新婦の笑顔が眩しい写真は素敵だと思います。ただそれと同じくらい友人と高砂で撮る集合写真も綺麗に撮れる必要があります。半身の写真ばかりでなく、引きの写真やゲストの表情が良い写真があって、数百枚全体を通して良い結婚式だったね!という写真になると思います。1,000枚以上撮影される方もいるので、ある程度のシチュエーションを想定してリストを作ってもいいと思います。

 

 あくまでウエディング撮影はスナップ撮影で、リアルな瞬間を撮ります。広告などは1枚良い写真をあげて、Photoshopで加工、ターゲットは不特定多数の人(ディレクターなどもいるとは思いますがここでは省いて)ですが、ウエディング撮影はご新郎ご新婦様をはじめそのご親族様やゲスト、ターゲットが限定されている上に数百枚の写真全てに思い出がつまり、一生に一度、そして捨てられる事なく一生残るものだと思います。

 だからこそポートフォリオとして見たい作品集は、あなたが撮影した婚礼1件のそれぞれのシーンの写真です。別に冊子にする必要はないと思いますし、ノートPCやiPadなどにデータを入れてぱっと数百枚のデータに目を通す事が出来れば、何が撮れて何をお伝えすべきかが明確になります。お互いにとっても時短で事が進められると思いますので、ぜひウエディングフォトグラファーの面接に行く際には参考にして頂ければ幸いです。

※会社によって指定があれば当然そちらにしたがって下さいね…

他にも「20人のカメラマン面接と指導をして思うプロカメラマンとしての3つの常識。」など面接の事やウエディング写真の撮影方法などをまとめていますので、ぜひご参考になればと思います。

 旅と生活と写真|菊川 貴俊