あなたはウエディングカメラマンはどんな人だと思いますか?聞こえてきそうな事を箇条書きにしてみると…
・プロのカメラマンだから綺麗に撮ってくれるのだろう。
・おじさんカメラマンが多い。
・女性カメラマンが多い。
・一眼レフカメラを2台持ちしていた。
・あまり印象にない。
結婚式をしない人が増えてきている中で、結婚式の時にいるカメラマンの印象はゼロに近いとは思いますが…一生に一度であるからこそ後悔ない写真を残してほしいと考えています。まずは誰に頼んでも一緒だろう…その印象は捨てて下さい。
ウエディングが舞台のスナップ撮影は、プロカメラマンから敬遠されているほど難しく非常に高いスキルがないと行えません。しかし実際はそのスキルすらなくても撮影しているウエディングカメラマンが大勢います。婚礼1組あたりカメラマン1人がつく事を考えると、婚礼繁忙期にカメラマンが足りず一眼レフを持っているフリーのカメラマンが招集され派遣される事もあります。そんな人があなたの結婚式の担当のカメラマンだったら…
さて、カメラマンを細かく分類していくと、その撮影対象によって様々な特徴がある事は以前まとめました。ウエディングカメラマンと言っても所属やスキルによって様々な人がいる事を、フリーカメラマンの面接や婚礼の現場でお会いするカメラマンなど見てきました。
そこで今回はウエディングカメラマンの種類や特徴をあげた上で、あなたがこれから写真を撮るのに参考にしたいカメラマン像、または結婚式で残したい写真を撮れるカメラマンの参考にしてほしいと思います。
1. 老舗ホテルと契約している業者のカメラマン
僕が見てきた中で一番お粗末な世界。老舗だけに時代に残されており、当然カメラマンの意識も古く撮影スタイルも言葉にできません。聞いた話には、撮り場所や設定が全て決められており、機械的にその場で撮影が出来ればいいそうです。世代遅れの機材を持っている人をよくみかける印象。
2. 専門は別だが業者と契約している派遣登録カメラマン
結婚式に来るカメラマンで一番多いのが派遣カメラマン。元々ブライダルを専門で専属から引退してフリーをやりながら登録カメラマンになっている方もいます。左記のカメラマンであれば人柄も技術も素晴らしいですが、そうでない人も多くいます。例えば普段は風景を撮っているカメラマンが、土日だけアルバイト感覚で婚礼撮影をしていたり。おそらく…①のカメラマンよりは婚礼に対する意識は高いけど、技術面からするとピンキリな印象。
3. 婚礼業者の専属カメラマン(社員カメラマン)
結婚式の当日撮影を専門に行っているカメラマン。その会社の社員であれば人柄も技術も他の分野のカメラマンに比べると高くなってきます。その会社の特徴を最も持ち合わせているカメラマンになるので、会社のカラーを求めるのであれば専属の方を探しましょう。
4. ブライダル専門且つロケやスタジオ撮影をしているカメラマン
この5年ほどで非常に増えたのが、③が自社でドレスやプランナーを持ち、前撮りやフォトウエディング。当日婚礼のスナップとは違って、知識や言葉遣いが徹底される以上に、全てカメラマン主導でお二人を誘導しポーズをつけ撮影するため、綺麗な画を撮る事に対してのスキルを持ち合わせています。ここまで出来ると前述したどの会社でも即戦力になる事は間違いないでしょう。
5. カメラマンとして一流だが婚礼経験のないカメラマン
たまに出くわす厄介なタイプのカメラマン。主役であるお二人が依頼されたのだからどんな写真でも満足するのだとは思います。しかし婚礼撮影経験がない為に、結婚式自体を壊しかねない格好や振る舞いがあります。撮影に夢中で配膳の導線を塞ぐばかりか、お年寄りに体当たり。はたまた進行を無視して新郎新婦を連れ回すなど…ゲストで招かれた趣味でカメラ好きの親戚のおじさんもこの傾向にあります。結婚式はカメラマンが主役ではありません。
再度お伝えしておきますが、ウエディングカメラマンは誰でも一緒ではありません。まず全員が違う写真を撮ると思って下さい。婚礼を専門で撮影している人でもその人の特徴が出ます。
多くのブライダルカメラマンやフリーカメラマンを見たり指導してきたからこそ、そのカメラマンの機材や立ち振る舞いなどで、どんな写真を撮っているか力量は分かりますが一般の方には分かりません。ただひとつ分かる事は「愛を持って撮影している」かどうかです。結婚式の撮影が好きで素敵な写真を撮るカメラマンほど「愛情深く」「笑顔を絶やさず」「自信を持って」撮影をしています。
もしあなたが結婚式の時に無愛想で表情に愛の感じないカメラマンと出会ったら、きっと写真はイマイチだと思って、彼に変わって沢山写真を残してあげて下さいね。大切なお二人にとって素晴らしい時間が過ごせる、たった一度しかない結婚式ですから。
旅と生活と写真|a_LIFE 菊川 貴俊