HOW TO SNAP ③|自分主体で撮る写真!手っ取り早くマニュアル操作を憶える方法!

 マニュアル操作を行う上で、最初に登竜門となるのが、“しっかりと綺麗な状態で写真が撮れない”という事に尽きるのではないでしょうか。

 せっかく一眼レフカメラを手にしたから、ちゃんと写真を撮る事が出来るものに頼ってしまう。楽チンに撮れてしまう分、カメラ任せになってしまってカメラの性能を活かしきれていないというのが現実です。

 

 そこで今回は、手っ取り早くマニュアル操作が出来る様になる!という事を目標にします。 

 

 どうしてもカメラを操作する為に聞き慣れない用語(説明書には載っている程度)を使用しながら説明しますので、投げ出したくなる気持ちも分からなくもありませんが、専門書などを買ってみるよりもずっと楽チンに攻略できると思いますので、ぜひ最後まで読んでください。

 さて、一眼レフカメラのマニュアル操作と一言で言っても、何をどう操作するのかが分かってなければいけません。とりあえずしっかり撮る為に必要な操作は、実はたったの3つです。参考写真を比較しながらイメージをやきつけてみましょう。

1.シャッタースピード(別名:T値)

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  シャッタースピードはいわゆるボタンを押してから写真が撮れるまでの時間です。その時間が長ければ(遅ければ)それだけ動くものが流れて写るし手ブレも起こりやすい。逆にその時間が短ければ(早ければ)動いているものが止まって写ります。

 つまり、飛び跳ねた瞬間を撮りたいのであれば、シャッタスピードは早くする必要があるし(大体1/200あればジャンプ程度は止まって見える)、夜景など暗いところで出来るだけゆっくり明るく撮るためにはシャッタースピードを遅くする必要があります。

 

2.絞り(別名:F値)

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  絞りというのは簡単に言うとピントが合っている距離を表します。数値が小さいほど(開放にしているほど)ピントが一点に集中するため、その前後が徐々にボケて遠くにあるものがよりボケてしまいます。逆に数値を大きくするほど(絞るほど)ピントが合っている距離が増えるため、ピントを合わせた前後がはっきりと写りやすく背景までくっきりします。

 こればかりはその時々と写真の好き嫌いになってしまいますが、せっかく一眼レフカメラで撮影するのであれば、そのレンズの最小値で撮る事をオススメします。なぜならボケを作らない写真を撮るのであればiphoneで良いかなと感じるからです。

  

3.感度(別名:ISO/アイエスオー・イソ)

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  オートでの暗い場所の撮影で起こりやすいのが、画質の劣化です。その原因が感度を不容易にあげられてしまうからです。最近のスマホやデジカメでも高感度のものが増えた為、特にiphone5ではかなり画質の劣化が改善されてはいます。

 感度というのは実際の光量で写真を撮るのではなく、数値を上げる事でカメラ本体内で機械的に明るく写っている様に写真に加工を加えてしまっているのです。参考カメラ感度に対して強いものなので、ISO100とISO2000では対して違いなく見えるかもしれませんが、大きく引き伸ばした時に劣化が見られるのです。

 

 オートなどで撮影してちゃんと写っている状態を適正露出といい、3つの操作を行い露出を適正なメモリに合わせるだけでマニュアル操作が出来ている事にはなります。しかし、ただひたすらに露出を適正にするだけであればマニュアル操作を行う必要はありません。

 マニュアル操作自分本位の写真を撮る為には、3つの操作のうち特にシャッタースピードと露出のどちらかを優先して数値を固定させておき、感度などで適正なメモリに合わせる事が重要です。ただ自分のイメージする写真にする為に、ご紹介した3つの操作を行ってシャッターを押すだけです。

 

 簡単に言うと『撮りたい写真のイメージに合わせて、設定に優先順位をつける』という事です。

 

 ぼくの場合、一眼レフカメラの良さを活かす為に、露出を小さい数値で固定させておきます。次にシャッタースピードで手ぶれしない数値以上のところで、綺麗に撮れる状態をカメラに指示しておきます。あとは撮りたいものにピントを合わせて撮るだけです。

 

 上記の方法さえ分かってしまえば、マニュアル操作は慣れです。新しい携帯電話も3日もすれば使い方に慣れますよね?それと同様で、一眼レフカメラのマニュアル操作も3つの操作する手順を憶えてしまえば、あとは慣れです。

 

 いつもカメラを持っていなくてもマニュアル操作に慣れる方法があります。慣れる為に毎日カメラを持ち歩くわけにもいきませんよね。それでも大丈夫です。カメラは必要ありません。頭で考えば良いのです。

 移動時間や作業をしていない時など、いま自分がいるこの場所で適正露出はどれくらいだろうか。ぼくの場合、絞りを3.5で撮りたくて、手ぶれしないシャッタースピードが80だから…感度は250かな。という感じです。当然ですが、この時にも撮りたい写真のイメージが先行します。ふんわり背景がボケた写真が撮りたいから絞りがこれ!という感じに。

 

 他にも例えば下の写真を撮りたいとイメージします。

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 この場合、車が動いている雰囲気が第一優先となりますので、シャッタースピードは10にして(手ぶれしない様にしっかり固定し)感度はどこまで数値を上げられるかな…となります。

 

 あらためてシャッタースピード・絞り・感度の利点や弱点については別の記事でとりあげます。

 

 まず手っ取り早くマニュアル操作を取得する為には、操作の優先順位を明確にして、移動中等の様々な環境下で想像してみる事です。それが例え合っていなかったとしても、必ず経験値として実際に一眼レフカメラを操作するときに活きてきます。

 さて、今回は聞き慣れない用語と数字の話で疲れてしまったかと思いますので、次回はこれらの用語を知らなくてもプロカメラマンの様な写真が撮れる方法をまとめます。『スマホでもプロ並の写真になる!たった2つのポイント!』をご紹介します。

 

旅と生活と写真|a_LIFE  菊川 貴俊