ウエディングカメラマンとして不向きな人 – 撮影編 –

 写真は好きだけど、何を専門としたカメラマンになりたいか分からない…そのような方々は沢山いらっしゃるのではないでしょうか?

 今までウエディングカメラマンになる為に必要不可欠な心がけやスキルについてまとめてきましたが、今回はその逆。ウエディングカメラマンに不向きな人の条件をまとめてみたいと思います。

 特に当記事では“撮影をする時”つまり撮影された写真にスポットをあてて、主に考えられる4点をまとめました。

 

1.自分の写真が大好き

 アーティスト気質の人やプロでもスタジオやプロモデルを相手にしてきた様な、「自分はカメラマンでカッコいい存在だ」と勘違いされている人は特にNGです。またご要望や環境に合わせて様々な撮り方を理解せず、「自分の撮り方はこれがからこれが良い写真なのだ」という押しつけも論外です(指名などで撮影するのであれば別ですが…)

 特に自分の写真が大好きな方の特徴としては、500枚撮影したうちの上手に撮れた5枚に満足し、ずーっといつまでも眺めている傾向にある様に感じます。

 

2.撮影の目的を考えられない

 ウエディング撮影の基本は、主役はご新郎ご新婦様やゲストでありその方々に喜んで頂く写真を残す事が目的であり、500枚撮影したうちの450枚に満足頂かなければいけないのです。

 客観的に写真の目的を考える事が出来ず、感動の場面にも関わらず暗い表情の写真ばかりであったり、集合写真の後方の人の顔がボケていたり…綺麗にドレスを撮ってほしいご新婦様の気持ちも理解せずにトレーン(ドレスの裾)がくしゃくしゃなままただ撮りましたよという写真であったり。

 なぜこの写真を撮るのか、お二人はこの写真を何に使うだろうかという事を常に考えて撮影しましょう。

旅と生活と写真_wedding_bridal

 

3.室内=ストロボを使う

 年配のカメラマンに多いです。5年以上前の機材だと感度も悪く、ストロボ(クリップオン)を駆使して撮影する必要がそれなりにありました。したがって10年前からカメラマンで思考停止状態の人だと、室内=ストロボを使う事にネガティブな事を感じない様です。

 そもそも僕はスナップ撮影と言うライブを残す上で人工的な光源を作ってしまう事にとても違和感を感じていました。素人だから感じた事かもしれません。

 しかし、撮影の目的に合わせ、どういったイメージで写真を残すべきかを考えればストロボを直当てするという発想はまず起きないと思います。使うべき時と使わざる時を常に選択しないといけない…と言ってもスキルや知識の凝り固まった方々に実践頂くのは至難でした。

 

4.”ステキ”に対するアンテナがない

 簡単に言ってしまえばセンスなのでしょう。しかし被写体である女性の一番美しく見える顔の角度であったり、気になるであろう二の腕が細く見える様な立ち方など写真を撮る側のちょっとした心がけで全く見た目は変える事ができます。会話を聞き取りながら笑いあう瞬間を狙うのも、ただ真面目な顔で会話している風景を狙うのも、会話をしていると言う状況は一緒ですが後で写真を見た時に感じる感情は全く異なります。

 どんな写真が”ステキ”なのか、女性やイメージ写真の”ステキ”はどんなものかを様々なアンテナを張って受けられる様にしていなければなりません。不向きな方の写真には笑顔がありませんし、あっても笑い過ぎで女性から見たら見苦しい写真…どんな意図なのか足が短く見える俯瞰で二人のポーズ撮影をしたり…“ステキ”は本物からしか学べませんから、評価されている映画や写真集、雑誌で”ステキ”のアンテナを身につけましょう。

 

 少しだけ辛口でまとめてみましたが、ウエディングに携わるという事がそれだけの責任が伴うと考えて頂ければ幸いです。以前まとめた「ウエディングカメラマンの心得」も参考になると思います。

旅と生活と写真

旅と生活と写真|菊川 貴俊